当院のむし歯治療のこだわり
痛みの少ない治療
多くの人が歯科治療や歯科医院を苦手に感じる原因は、治療時の痛みだと思われます。当院では、患者様の負担を最小限にするため、痛みに配慮した治療を提供しております。麻酔する際にも、表面麻酔を使用し、33Gの極細の針の使用、麻酔薬は体温に近似させることで、麻酔時の痛みを大幅に軽減し、患者様が安心して治療を受けられる環境を整えています。
むし歯を繰り返させない
むし歯治療を受けた方の中には、同じ箇所や別の箇所で再びむし歯になるケースが少なくありません。当院では、再発を防ぐためにむし歯菌を丁寧に除去し、適切な詰め物や被せ物を装着する治療を行っています。
治療後のメンテナンスを指導
治療した箇所が再びむし歯にならないためには、患者様ご自身によるケアも重要です。当院では、ブラッシング指導などむし歯予防に関する情報提供を行い、治療後のメンテナンスをサポートしています。
マイクロスコープや拡大鏡の活用
マイクロスコープや拡大鏡の使用により、これまで目視では見つけられなかった小さなむし歯も早期に発見し治療が可能です。むし歯が進行して歯髄にまで達すると、根管治療が必要となり歯の神経を抜かなければならなくなります。早期治療は歯の寿命を延ばすために非常に重要です。また、治療では健康な歯を可能な限り削らず、最小限の範囲でむし歯を除去します。これにより、詰め物や被せ物の装着がしっかりと行え、むし歯の再発を防ぎます。
むし歯とは
むし歯は、酸によって歯が溶かされる病気です。砂糖を含む食べ物、特にチョコレートやキャラメル、アメなどはむし歯と深い関係があります。むし歯の原因は「ミュータンス菌」という細菌で、口の中に砂糖が入ると活発に働いて歯垢を作り、酸を生成します。この酸が歯を溶かし、むし歯を引き起こします。酸が生成されるまでには時間がかかるため、早めにうがいや歯磨きを行うことでむし歯の原因を取り除くことが有効です。むし歯は、予防することが最も大切です。
むし歯の原因
むし歯には、①細菌②食べかすや糖分③歯質④時間が大きく関わっています。
お口の中に存在している細菌(ミュータンス酸)がプラークを作り出し、食べかすや糖分を栄養として酸を出します。通常、唾液の作用により口腔内は浄化されていくのですが、歯磨きを忘れたり、磨き残しや間食が多いと、お口の中は酸性に傾いたままになるので、徐々に歯が溶かされていき、やがて穴が空いてしまいます。
むし歯になりやすい人
歯みがきをしない
1日に1回以下しか歯磨きをしない人は、食べかすが残り、プラークも付着したままになります。これにより、ミュータンス菌が増えやすくなり、むし歯のリスクが高まります。
歯みがきが不十分
歯磨きの回数が十分であっても、磨き方が不十分だとむし歯になりやすくなります。特に奥歯の間など歯ブラシだけでは届かない場所は、デンタルフロスや歯間ブラシを使って清潔に保つことが重要です。
甘いものを好む
甘いものをよく摂取する人は、ミュータンス菌が好む環境を作り出してしまい、むし歯のリスクが高まります。
ダラダラ食べ
ジュースやお菓子だけでなく、パンやおにぎりなどを頻繁に食べる生活習慣もむし歯のリスクを高めます。食事の回数分だけ歯磨きが必要となり、その都度ミュータンス菌が乳酸を生成してしまうからです。
口で呼吸する
口呼吸をすると唾液が蒸発しやすく、口が乾燥してしまいます。唾液には口内の自浄作用、抗菌作用、再石灰化作用があり、むし歯を防ぐ上で重要な役割を果たします。口呼吸によってこれらの働きが低下すると、むし歯のリスクが高まります。
歯並びが乱れている
歯並びが悪いと、歯磨きがしにくくなり、むし歯になりやすくなります。
むし歯の進行と治療法
CO
COは、痛みがなく歯の色が少し白濁してくる初期のむし歯です。この段階でむし歯を発見するのは難しいですが、歯に違和感を感じたら早めに歯科医院で診てもらうことが大切です。COの状態では、再石灰化により健康な歯に戻すことができます。
治療法
ブラッシング指導を行い、セルフケアの質を向上させつつ再石灰化を促し、進行を防ぎます。治療中は定期的な経過観察が必要です。
C1
C1はエナメル質が溶け、小さな穴が空いた状態です。この段階では痛みはありません。むし歯の大きさによっては麻酔を使わずに治療が可能な場合もあります。
治療法
むし歯の部分だけを削り、コンポジットレジンと呼ばれる樹脂を詰めます。同時にブラッシング指導を行い、再発を防ぐためのセルフケアと定期検診を推奨します。
C2
C2は象牙質までむし歯が進行した状態です。冷たいものがしみることがあります。また、むし歯の範囲が大きい場合は食べ物が詰まりやすくなります。
治療法
むし歯の範囲に応じて、小さなむし歯の場合はC1と同じ処置を行います。範囲が大きい場合は、詰め物(インレー・アンレー)や被せ物(クラウン)で修復します。
C3
C3は歯の神経までむし歯が進行した状態です。穴が大きい場合もあれば、小さくても内部で進行している場合もあります。この段階では、熱いものがしみたり、激しい痛みを伴うことがあります。神経を保存できるかどうかの判断が必要です。
C4
C4まで進行すると、神経が死んでしまい痛みを感じなくなることが多いです。しかし、細菌が歯の根の先にたまり(根尖病巣)痛みが再発することがあります。歯を残すか、抜歯するかの判断が必要です。
治療法
歯を保存できる場合は根管治療を行い、根の清掃と薬の充填を行った後、コア(支柱)を立ててクラウンで修復します。保存が難しい場合は抜歯を行います。
神経まで達したむし歯治療
むし歯が進行し、歯の内部にある神経(歯髄)に達すると、神経を取り除く「抜髄」という処置が必要になります。しかし、神経を取ることで歯は感覚を失い、むし歯の再発や歯の破損に気付きにくくなるため、歯を失うリスクが高まります。そのため、歯科医師は可能な限り神経を残す治療を優先します。
むし歯が神経に達してしまった場合でも、条件が整えば神経を保存する「歯髄温存療法」を選択することができます。当院では、MTAセメントという特殊な材料を使用して、感染した部分のみを除去し、神経を温存する治療を行っています。これにより、歯の自然な感覚を保ちつつ、歯を長持ちさせることが可能です。
治療後のメンテンナンスの重要性
むし歯治療により、口の中のむし歯は治すことができますが、治療が終わったからといって口腔の健康が維持できるわけではありません。再びむし歯になる可能性があることを忘れてはいけません。むし歯の原因となる細菌や食習慣を放置すると、再発する可能性が高くなります。
そのため、治療後のメンテナンスが非常に重要です。定期的な歯科検診を受け、適切な口腔ケアを行うことで、治療した歯を長く守ることができます。むし歯の再発を防ぐために、日々の予防とケアを怠らないようにしましょう。