噛み合わせって何?
顎が痛い!口を開け難い!食いしばりがある!歯が割れた!詰め物や被せ物がよく取れる!って、噛み合わせが原因の可能性があるんですよ。
結論から話をすると、全てに通じますが現状の把握そして対策が求められます。例えば、なぜ歯が割れるのか?その原因はなんですか?
その原因の一つが噛む力が強い!!ことが挙げられます。骨格的に強い場合(岩崎ら:1995)もありますがいずれにせよどのくらいの力で噛んでいるかを把握することは重要です。健康な成人男性42 名を対象に、かみしめ時に奥歯(下顎第一大臼歯)にかかる力(咬合力)を測定した研究によると、その平均は 59kgとの報告(長谷川ら:1997)があります。42名 (男性36名、女性6名:20-25歳)を対象とした咬みしめ時の歯列における咬合力分布を調査した結果では第1大臼歯で最大74.49kgと報告しています(服部ら:1996)。これらの報告は性差、年齢、体格など様々であることから一つの目安と考えます。いずれにせよ、歯には、自分自身の体重に匹敵するくらい大きな力がかかっていることが分かります。株式会社ロッテは、食事や噛むことに対する意識や行動の実態を明らかにするため、47都道府県ごとに20代~60代の各100名ずつを対象とした、全国「噛む力」調査を実施した結果、群馬県が「噛む力」1位となっています。これは噛む回数と噛むことへの意識によるのもなので参考までに。
そして、今までの話は全て覚醒時。つまり、起きている時のものです。人生の三分の1は睡眠と言われるくらい人間は寝ています。その寝ている時の噛む力は意識による咬合の抑制がないため想像以上の力が発揮されると言われています。最大咬合力に対する睡眠時咬合力の比率は平均53.1%であり、最大のものは睡眠時咬合力が覚醒時の最大咬合力を超え、111.6%と報告しています(西川ら:1998)。また、お口の中のダメージは噛む力、回数、噛んでいる持続時間で表されると思います。これらを総合的に鑑みて治療しなければ”顎が痛い!口を開け難い!食いしばりがある!歯が割れた!詰め物や被せ物がよく取れる!”につながってしまうことは想像しやすいと思われます。
印象に強く残っている、やや大柄の50代男性のケースです。覚醒時の最大咬合力210kg。
この数値も驚異ですが、睡眠時は、なんと左右それぞれ288%、276%。これは左右478.40kg、121.14kgに相当します。
回数は少なく、持続時間は短かったものの咬合力がとても強いためダメージが大きく歯の破折に繋がりました。噛み合わせのバランスも悪く、強く咬合しているところも見えています。こういうところが次に破折や脱離に繋がるので対処が求められるのです。
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歯科医師として様々なリスクは軽減、または予測して処置をします。簡単なセルフチェックが可能なお口の状態は次の二つです。ゆーっくりとギリギリした際に歯と歯が当たる部分のすり減りが激しい!下の歯の舌側に膨らみがある!こんな方は噛み締めが強いかも。歯医者さんでチェックしてもらいましょう!でも、検査することなくマウスピース!は避けましょう。